2012年10月23日火曜日

木印章



実用性のある物をつくってこそ職人という意識がある。
賀茂人形をつくりながらも、いつもその考えは頭の片隅に居座っている。
もちろん賀茂人形の目的である飾って楽しむという事はとても豊かなことである。
ただ、現在つくられて現在使用されるもの、転用ではなく今使う人に今つくるということが自分の求めるかたちである。
木印章はオーダーメイドの靴と同じで使う人個人のものである。その人の為につくり、実用性という宝を持っている。
だからこそ木印章というものにこだわっている。
自分自身が古式を守りて今生きるものをつくることは、古人の魂が今も生き続けていることの証明である。
木印章にこだわるのは、それが古人と今、そして自分を結び付ける術(すべ)だからである。

2012年10月2日火曜日

木印 獅子


画像が表示できなくなっていた為、画像を削除しました。






柘植。高さ 6.3cm。寸法 八分。


2012年9月19日水曜日

デカンショ節 その9



他國で産まれた傍系のデカンショ節

デカンショ デカンショと 赤門の前で ヨイヨイ
おでん かん酒 稲荷寿司 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

長いリボンは 伊達には掛けぬ ヨイヨイ
直ぐに間に合ふ 岩田帯 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

國へ無心の 仮病の手紙 ヨイヨイ
金のかはりに 親が来た ヨホイ ヨホイ デッカンショ

抱いて寝かして 手枕さすに ヨイヨイ
何が不足で 屁をかます ヨホイ ヨホイ デッカンショ

大和一つ買うて 十銭玉出して ヨイヨイ
つりはいらぬと デカイ顔 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

足を抜ことて 三階から飛んで ヨイヨイ
足抜きどころか 腰がぬけた ヨホイ ヨホイ デッカンショ

之が今生の 別れよ友よ ヨイヨイ
交わす盃 月宿す ヨホイ ヨホイ デッカンショ

米が高いと 心配するな ヨイヨイ
芋と水とありや 大丈夫 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

お前百まで わしや九十九まで ヨイヨイ
共に虱の たかるまで ヨホイ ヨホイ デッカンショ

いっそ呑むなら デカイこと飲みな ヨイヨイ
世界 質に置いて 酒を飲め ヨホイ ヨホイ デッカンショ

浅間山から 鬼が尻出して ヨイヨイ
鎌でかつ切るやうな 屁をたれた ヨホイ ヨホイ デッカンショ

腕は千里の 嵐に勇み ヨイヨイ
胆は天下の 雲起す ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年9月18日火曜日

デカンショ節 その8



尾花そよげる 車塚のほとり ヨイヨイ
太古なからの 霧が降る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

わしもお前も 篠山育ち ヨイヨイ
花を咲かさん 大江戸で ヨホイ ヨホイ デッカンショ

わたしや篠山 勝栗育ち ヨイヨイ
中に甘味も 渋もある ヨホイ ヨホイ デッカンショ

こがれこがれて 門に出て見れば ヨイヨイ
月が顔出す 高城に ヨホイ ヨホイ デッカンショ

栗が弾けた 向かひの山に ヨイヨイ
わたしや嬉しい 主定め ヨホイ ヨホイ デッカンショ

摂津境の 國分松が ヨイヨイ
ほのか見えます 遠がすみ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

主の羽織に なるのと思や ヨイヨイ
ほんにうれしい この蚕 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波山脈(やまなみ) おし伏しなびけ ヨイヨイ
雲に聳ゆる 御嶽山 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波恋しや 六甲の山を ヨイヨイ
雪がチラ/\ 越えて来る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

寒さしのんて 造った酒で ヨイヨイ
春にや 三々九度の式 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

添うて嬉しい 今年の秋は ヨイヨイ
二人揃ふて 栗拾ひ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

霧は晴れゆく 朝日は照らす ヨイヨイ
照らす稲田の 豊の秋 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

明けてゆきます 東の空が ヨイヨイ
鐘がなります 霧の底 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

当世流行は 空吹く風よ ヨイヨイ
はだか はだしで 野良仕事 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

栗にや毬あり 柿にや種がある ヨイヨイ
丹波男の子(おのこ)にや 意気がある ヨホイ ヨホイ デッカンショ

人と人との 心と心 ヨイヨイ
デカンショ/\で おどり合ふ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年9月16日日曜日

デカンショ節 その7



同じ死ぬなら 櫻の下に ヨイヨイ
死ねば屍に 花が散る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

清き流れの 篠山川に ヨイヨイ
濁る心を 洗ひ来よ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

我等仲間は 心の友よ ヨイヨイ
清き流れに 水を汲む ヨホイ ヨホイ デッカンショ

徳利枕に うたゝねすれば ヨイヨイ
夢に浮かぶや 五大洲 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

空を凌げる 宮城(きゅうじょう)の松に ヨイヨイ
思ひ起せよ 故郷を ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波山國 山路ゆけば ヨイヨイ
笠に木の葉の 雨が降る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波よいとこ いつ来てみても ヨイヨイ
人は正直 親切ぢゃ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

文字は幾萬 数ある中で ヨイヨイ
「篠」といふ字が わしや恋し ヨホイ ヨホイ デッカンショ

親の意見と お米の花は ヨイヨイ
千に一つも 仇はない ヨホイ ヨホイ デッカンショ

夜霧こめたる 丹波の宿の ヨイヨイ
軒に落ちくる 栗の音 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年9月15日土曜日

デカンショ節 その6



島とうかぶよ 高城山が ヨイヨイ
霧の丹波の 海原に ヨホイ ヨホイ デッカンショ

祈るお稲荷さんの 御利益うけて ヨイヨイ
けふはお前に 王地山 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

同じ歌ふなら デカンショを歌へ ヨイヨイ
肉が躍って 骨が鳴る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

意気なハイカラの 讃美歌よりも ヨイヨイ
デカンショ デカンショの歌がよい ヨホイ ヨホイ デッカンショ

秋の御嶽へ 霧ふみわけて ヨイヨイ
栗を拾うたり 茸狩に ヨホイ ヨホイ デッカンショ

デカンショ デカンショで 土踏みしめりや ヨイヨイ
國の土臺も 揺るがせぬ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

土にまみれて 日に照らされ ヨイヨイ
黒くなる程 身は光る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

デカンショ デカンショで三十まで踊れ ヨイヨイ
三十すぎたら 子が踊る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

酒は飲め飲め 茶釜で沸かせ ヨイヨイ
お神酒あがらぬ 神はない ヨホイ ヨホイ デッカンショ

意気で渡れば 千里も一里 ヨイヨイ
椰子の木蔭で 高いびき ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年9月14日金曜日

デカンショ節 その5




緑 常盤の お城の松に ヨイヨイ
操きそひて 八千代まで ヨホイ ヨホイ デッカンショ
風の涼しい 監物河原 ヨイヨイ
千鳥鳴くなる 夕まぐれ ヨホイ ヨホイ デッカンショ
清水流るゝ 大芋川(おくもがは)に ヨイヨイ
淵瀬あさりて 漁猟会(ぎょりょうかい) ヨホイ ヨホイ デッカンショ
山水秀麗な 我 郷國を ヨイヨイ
汚すまいぞや 諸共に ヨホイ ヨホイ デッカンショ
丸う まん丸こう 輪になって踊れ ヨイヨイ
心 丸い娘を 嫁にとろ ヨホイ ヨホイ デッカンショ
いくら手をとり 踊ろが唄はうが ヨイヨイ
心見ぬうちや 許しやせぬ ヨホイ ヨホイ デッカンショ
デカンショ デカンショで 明けるまで踊ろ ヨイヨイ
影と二人に なるまでも ヨホイ ヨホイ デッカンショ
太鼓打ちます 隣の村で ヨイヨイ
こちの村でも 踊りましょ ヨホイ ヨホイ デッカンショ
踊るお陰で 病気を忘れ ヨイヨイ
今年や うれしや 子ができた ヨホイ ヨホイ デッカンショ
踊り疲れて 家路に向ふ ヨイヨイ
頬に夜霧の 心地よさ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年9月10日月曜日

デカンショ節 その4



秋の取入れ 半ばに主を ヨイヨイ
灘へ見送る 初時雨 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

裏の五畝田に 取れたよ取れた ヨイヨイ
二石五斗五升 米が取れた ヨホイ ヨホイ デッカンショ

霧の雫に ぬれぬれ朝を ヨイヨイ
山に乙女の 栗拾ひ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

かみしめなされよ 川北大豆 ヨイヨイ
色が黒ても 味がよい ヨホイ ヨホイ デッカンショ

波多野秀治(はたのひではる) 眞の武士よ ヨイヨイ
君の御爲 御所造る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

王地山下に 眠れる大儒(だいじゅ) ヨイヨイ
操 松崎 蘭谷さん ヨホイ ヨホイ デッカンショ

栗が落ちるか 主くるよさか ヨイヨイ
裏の林に 音がする ヨホイ ヨホイ デッカンショ

いがを破るな 時さへ来れば ヨイヨイ
ひとりはじけて 主のまゝ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

思ふ主をば 蚕となって ヨイヨイ
巻いて 包んで 放しやせぬ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

あれさ時雨よ 稲刈る乙女 ヨイヨイ
赤い襷が にじむぞえ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年9月8日土曜日

デカンショ節 その3



右手(めて)にや筆とり 左手(ゆんで)にや劔 ヨイヨイ
震い動かせ この天地 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

デカンショ デカンショで 死ぬまで踊れ ヨイヨイ
俺が死んだら 子が踊る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

デカンショ デカンショと 歌ふて廻れ ヨイヨイ
世界いづこの 果てまでも ヨホイ ヨホイ デッカンショ

天下取る迄は 大事な身體(からだ) ヨイヨイ
蚤に喰わせて なるものか ヨホイ ヨホイ デッカンショ

雲が巻いたよ 白髪の嶽に ヨイヨイ
娘 桑つめ 降らぬ間に ヨホイ ヨホイ デッカンショ

磯のお宮の 裸の榧(かや)は ヨイヨイ
はだかながらに 實(み)を結ぶ ヨホイ ヨホイ デッカンショ

北と南に 別れて落ちる ヨイヨイ
皷峠(つづみとうげ)の さかれ水 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

琵琶を抱いて 沈んだ姫の ヨイヨイ
思いかなしき 琵琶が淵 ヨホイ ヨホイ デッカンショ
(少將山 せうしょうやま)

さかさ釣りして あの光秀の ヨイヨイ
母を殺した やぐら松 ヨホイ ヨホイ デッカンショ
(高城山)

松葉いぶして 蚊遣(かやり)をたいて ヨイヨイ
涼む夕べの 酔心地 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年9月7日金曜日

デカンショ節 その2



丹波篠山 山奥なれど ヨイヨイ
霧の降る時や 海の底 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波 荒熊 男児の胆に ヨイヨイ
親爺これ見よ 毛が生えた ヨホイ ヨホイ デッカンショ

御嶽山下の 頑固な子ども ヨイヨイ
呑めよ睨めよ 五大洲 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

デカンショ デカンショと 皆さんと共に ヨイヨイ
歌いましょかい 郷國を ヨホイ ヨホイ デッカンショ

山の深山の 山家の伜 ヨイヨイ
質素武勇が 本色ぢや ヨホイ ヨホイ デッカンショ

盆のお月さんは まるこて まるて ヨイヨイ
まるて まるこて まだ まるい ヨホイ ヨホイ デッカンショ

盆の十六日や お寺の施餓鬼 ヨイヨイ
蝉がお経よむ 木の空で ヨホイ ヨホイ デッカンショ

千代に八千代に 華族の龜艦 ヨイヨイ
崇めまつれよ 隆徳公(りうとくこう) ヨホイ ヨホイ デッカンショ

御幣担いで 真暗闇に ヨイヨイ
墓場 山中 がさがさと ヨホイ ヨホイ デッカンショ

からだ六尺 これ皆胆よ ヨイヨイ
こいつ叩けば 音がする ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年9月5日水曜日

デカンショ節 その1




丹波 篠山 山家の猿が ヨイヨイ
花のお江戸で 芝居する ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波篠山 鳳鳴の塾で ヨイヨイ
文武きたへし 美少年 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

風が吹く吹く 篠山城の ヨイヨイ
松に武勇の声高く ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波篠山 お城が招く ヨイヨイ
壕の櫻も 又招く ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波篠山 六万石の ヨイヨイ
町が栄える 銭の紋 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

丹波篠山 お城の壕の ヨイヨイ
泥に咲いたる 蓮の花 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

デカンショ デカンショの本場はどこよ ヨイヨイ
丹波篠山 武者踊 ヨホイ ヨホイ デッカンショ

デカンショ デカンショで半年暮す ヨイヨイ
後の半年や 寝てくらす ヨホイ ヨホイ デッカンショ

山は御嶽(みたけ)に 流れは大芋(おくも) ヨイヨイ
是れぞ我等の故郷なる
(是れぞ我等の天地なる)
(是れぞ故郷の天地なる) ヨホイ ヨホイ デッカンショ

霧の海から 丹波の富士が ヨイヨイ
ぼかし絵の様に 浮かび出る ヨホイ ヨホイ デッカンショ

2012年7月22日日曜日

賀茂人形 煙草入れ

面根付が付いた煙草入れを下げたる様。
煙草入れは古い菖蒲革、緒締は水晶。
高さ 4.5cm



2012年7月21日土曜日

賀茂人形 降り鼓

 雅楽で使用される降り鼓(ふりつづみ)を持つ様。
玉の部分は水晶。
高さ 4cm



2012年7月19日木曜日

賀茂人形 犬曳き

犬を曳きたる様。
古作には大きな犬に乗っているものも見られる。
賀茂人形の犬は、ほぼ決まっていて、垂れ耳で耳と尾が黒く、体に三つ葉模様の斑がある。
高さ 3.8cm


2012年7月18日水曜日

賀茂人形 太鼓

賀茂人形は、江戸時代は元文年間に京都賀茂神社の雑掌・高橋忠重が神具の柳筥(やないばこ)を作った余材で人形を彫り、神職用装束の残り裂を木目込みの衣装に用いたのがその始まりと伝えられる。
太鼓をたたきたる様をあらわしたこの人形は、金襴、縮緬、共に時代裂を使用。材は柳を用いる。
高さ4.5cm。


こんにちは

自己紹介を兼ねてご挨拶いたします。
﨑山智水 兵庫県篠山市生まれ。
京都伝統工芸専門学校、漆工芸科卒。
賀茂人形、木印章、根付を扱います。

江戸時代以前のものを好しとしています。

厳訓
一、古様ヲ守リテ不変デアル事。
一、芸術視点ヲ持タヌ事。
一、個性ヲ滅ス事。
一、利用セヌ事。
一、人為ヲ残サヌ事。
一、古人トトモニ在リシ事。

以上の事を信条に仕事をしております。
少しずつですが、仕事の内容や興味を持ったものなどをご紹介できればと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
﨑山智水

根付 蝦蟇


長さ 3.7cm 高さ 1.6cm 柘植

2012年7月17日火曜日

根付 仙人

焦先 (しょうせん) 字は孝然。
毎日、山に入って薪を伐り、人に施すことにしていた。
高さ 6.5cm 柘植